「不法滞在者ゼロプラン」強化策が発表|企業が今すぐやるべき3つの対策【2026年5月】

はじめに

2026年5月22日、出入国在留管理庁(入管庁)が「不法滞在者ゼロプラン」の強化策を発表しました。

注目すべきは、AIを活用したSNSサイバーパトロールの導入と、不法就労助長罪の厳罰化(6月14日施行)です。

「うちは真面目にやっているから大丈夫」と思っている企業こそ要注意です。確認不足も処罰対象になります。

この記事では、企業の経営者・人事担当者が知っておくべきポイントと、今すぐできる対策を解説します。

強化策の全体像

今回の強化策は、2025年5月に公表された「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」をさらに推し進めるものです。

現状の数字

  • 不法残留者数:約6万8,000人(2026年1月時点)
  • 前年同期比:約6,000人の減少
  • 入管庁の分析:「多くは生活費のため不法就労に従事している」

減少傾向にはあるものの、まだ7万人近い不法残留者がいる状況です。

今回の主な施策

施策 内容 時期
SNSサイバーパトロール AIで不法就労情報を自動巡回 専門部署を2027年度中に新設
不法就労助長罪の厳罰化 罰則を大幅引き上げ 2026年6月14日施行
適正雇用推進キャンペーン 企業・関係団体への啓発 2026年6月1日〜1か月間
在留カード偽造対策 SNS上の売買情報の把握・摘発 順次実施

1. SNSサイバーパトロールとは

AIで不法就労を「見つけに行く」

これまでもSNS上の不法就労情報は把握されていましたが、網羅的な調査・分析は行われていませんでした

今回の強化策では、以下が導入されます:

  • AI自動巡回システムの導入検討
  • 民間の分析ツールの活用
  • 多言語対応(国ごとに使用SNS・言語が異なるため)
  • サイバーパトロール専門部署の2027年度中の新設

何を監視するのか

  • 外国語での不法就労の募集・仲介
  • 偽造在留カードの売買情報
  • 資格外活動の実態(オーバーワーク等)

企業への影響

直接的にSNSを監視されるわけではありませんが、不法就労者の供給元が摘発されることで、知らずに雇っていた不法就労者が発覚するリスクが高まります。

2. 不法就労助長罪の厳罰化【6月14日施行】

罰則が大幅に引き上げられます

2026年6月14日施行の改正入管法により、不法就労助長罪の罰則が強化されます。

項目 改正前 改正後
拘禁刑 3年以下 5年以下
罰金 300万円以下 500万円以下
併科 なし 併科可能(拘禁刑+罰金の両方)

「知らなかった」では済まない

重要なのは、過失があった場合でも処罰対象になるということです。

つまり、「在留カードを確認していなかった」「在留期限が切れていたことに気づかなかった」という場合でも、「知らなかったことに過失がない」と企業側が証明できなければ罰則を免れません。

欠格事由への組み込みも検討

さらに、不法就労助長罪での摘発歴を各業界の許認可法における「欠格事由」に盛り込むことが検討されています。

これが実現すると、摘発された事業者はその業種での事業継続が一定期間制限される可能性があります。建設業許可、派遣業許可などを持つ企業にとっては致命的です。

3. 企業が今すぐやるべき3つの対策

対策①:在留カードの真正性を確認する

在留カードの「見た目」だけで判断するのは危険です。以下のツールを活用してください。

  • 在留カード等番号失効情報照会(入管庁の無料サービス)
  • 在留カード等読取アプリ(ICチップの情報を読み取り)

偽造カードはSNS上で流通しており、肉眼では見分けがつかないケースもあります。

対策②:在留期限を「仕組み」で管理する

人事担当者の記憶や手動管理に頼るのは限界があります。

  • 在留期限の一覧表を作成し、定期的に更新する
  • 期限の3か月前にアラートが出る仕組みを作る
  • 更新申請中の「特例期間」も正確に把握する

※在留期間更新許可申請中は、在留期間の満了日から2か月間は適法に在留できます(特例期間)。

対策③:資格外活動の範囲を確認する

「働ける在留資格」を持っていても、許可された範囲外の活動は不法就労です。

よくあるケース:
– 留学生アルバイトの週28時間超過
– 技人国ビザで単純労働に従事
– 家族滞在ビザで許可なく就労

在留カードの裏面「資格外活動許可欄」を必ず確認してください。

社労士×行政書士だからできること

外国人雇用のコンプライアンスは、入管法と労働法の両方の知識が必要です。

確認事項 担当
在留資格の該当性 行政書士
在留カードの確認 行政書士
雇用保険・社会保険の手続き 社労士
外国人雇用状況届出 社労士
就業規則の整備 社労士
在留期間更新申請 行政書士

これらを別々の専門家に依頼すると、書類の整合性が取れないリスクがあります。

当事務所では、行政書士(入管手続き)と社労士(労務管理)のワンストップ対応で、外国人雇用のコンプライアンスを丸ごとサポートします。

まとめ

ポイント 内容
サイバーパトロール AIでSNS上の不法就労情報を自動巡回。供給元の摘発強化
不法就労助長罪 6月14日に厳罰化。5年以下の拘禁刑+500万円以下の罰金(併科可)
企業の対策 ①在留カードの真正性確認 ②在留期限の仕組み管理 ③資格外活動の範囲確認

「知らなかった」では済まない時代です。6月14日の施行前に、自社の外国人雇用体制を見直しましょう。


お問い合わせ

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ASC行政書士事務所
TEL: 070-1432-2815
Email: kubo.gyosei.office@gmail.com

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参考情報(※要確認)
– 出入国在留管理庁「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」
– 2026年5月22日 各報道(時事通信、朝日新聞、産経新聞、共同通信、テレビ朝日)
– 改正出入国管理及び難民認定法(2026年6月14日施行)

※本記事は2026年5月22日時点の報道情報に基づいています。正式な法令の条文・施行細則は官報・入管庁公式サイトでご確認ください。

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