外国人雇用で使える助成金まとめ【2026年版】申請タイミングと注意点

外国人雇用でも助成金は使える

「外国人を雇用する場合でも助成金は使えるのですか?」

答えは「使えます」。助成金は原則として、日本で適法に就労する外国人にも適用されます。ただし、申請のタイミングや要件を間違えると一切もらえません。

この記事では、外国人雇用で特に活用しやすい3つの助成金を紹介します。

① キャリアアップ助成金(正社員化コース)

概要

有期雇用契約の外国人を正社員に転換した場合に支給される助成金です。

項目 内容
支給額 40万〜80万円/人(中小企業。重点支援対象者は80万円)
対象 有期雇用→正社員への転換
主な要件 転換前後で賃金3%以上アップ

外国人雇用での活用パターン

  • 技能実習→特定技能1号への移行時に有期雇用→正社員転換
  • 特定技能1号の外国人を正社員に転換

申請の流れと注意点

  1. 事前にキャリアアップ計画書を提出(転換前に労働局へ)
  2. 就業規則に正社員転換制度を規定
  3. 正社員に転換
  4. 転換後6ヶ月の賃金を支払う
  5. 支給申請

最大の注意点:事前のキャリアアップ計画書の提出が絶対条件です。 転換後に「助成金がもらえると知った」では遅いのです。

よくある失敗

  • 計画書を出す前に正社員転換してしまった → 不支給
  • 賃金3%アップの要件を満たしていなかった → 不支給
  • 就業規則に転換制度の規定がなかった → 不支給

② 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

概要

外国人向けの職業訓練・日本語研修などに対する助成金です。

項目 内容
助成内容 経費助成+賃金助成
対象 Off-JT(座学研修)を含む訓練
主な要件 訓練開始前に計画届を提出

外国人雇用での活用パターン

  • 特定技能2号の評価試験対策研修
  • 日本語研修(業務上必要な場合)
  • 職業能力開発のための技術研修

注意点

  • 訓練計画の事前届出が絶対条件(後出し不可)
  • OJTだけでは対象外のケースあり
  • 日本語研修が対象になるかは訓練内容・時間数による
  • Off-JTの時間数要件を必ず確認

③ 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

概要

外国人労働者の就労環境整備(就業規則の多言語化、相談窓口の設置等)を行った企業に支給される助成金です。

項目 内容
支給額 支給対象経費の1/2(上限57万円)、賃金要件を満たす場合は2/3(上限72万円
対象 外国人労働者の就労環境整備に要した経費
主な要件 就労環境整備計画の策定・実施、離職率の目標達成

外国人雇用での活用パターン

  • 就業規則・雇用契約書の多言語化
  • 外国人向けの相談窓口の設置
  • 一時帰国のための休暇制度の整備

助成金申請の前提条件

どの助成金にも共通する前提条件があります。

企業側の条件

  • 社会保険・雇用保険に適正加入していること
  • 残業代の未払い等の労基法違反がないこと
  • 36協定が届出済みであること
  • 就業規則が整備されていること(10人以上の事業所)
  • 賃金台帳・出勤簿・労働者名簿が整備されていること

これらが整備されていない企業は、助成金以前の問題として法令違反のリスクがあります。

外国人側の条件

  • 適法な在留資格を持っていること
  • 在留カードの確認が済んでいること
  • 雇用契約が在留資格の範囲内であること

在留資格の手数料引き上げと助成金

入管法改正案が国会で審議中で、成立すれば在留資格の更新手数料が大幅に引き上げられる見込みです(1年更新で約3万円、5年更新で約7万円程度。具体額は政令で今後決定)。

外国人雇用のコストが上がる中で、助成金を活用してコストを相殺する戦略がますます重要になっています。

例えば:
– 手数料引き上げ分(年間約3万円増)× 5人 = 年間15万円増
– キャリアアップ助成金を活用 → 40万〜80万円/人を獲得
– 差し引きで大幅なプラスに

社労士×行政書士だからできること

助成金申請には就業規則・賃金台帳の整備が前提です。これは社労士の独占業務です。

一方、特定技能への移行や在留資格の変更は行政書士の業務です。

両方が同時に発生するのが外国人雇用の特徴です。

例:技能実習→特定技能1号への移行
行政書士として: 在留資格変更許可申請
社労士として: 雇用契約書の整備、就業規則の改定、キャリアアップ助成金の計画届・支給申請

別々の専門家に頼むと、ビザ申請用の雇用契約書と助成金用の雇用契約書で内容が食い違うリスクがあります。ワンストップなら整合性を一発で担保できます。

費用対効果シミュレーション

外国人5人を雇用する中小企業を例に、助成金活用の効果を試算します。

ケース:特定技能1号 5人を正社員転換

項目 金額
コスト(年間)
在留資格更新手数料(5人×約3万円) ▲15万円
登録支援機関委託費(5人×月2.5万円×12ヶ月) ▲150万円
行政書士費用(更新5件×10万円) ▲50万円
コスト合計 ▲215万円
助成金(受給額)
キャリアアップ助成金(5人×40万〜80万円) +200万〜400万円
人材開発支援助成金(研修3件×20万円) +60万円
助成金合計 +260万〜460万円
差引効果 +45万〜245万円

※助成金の受給には全て事前の計画届提出が必要です。金額は一例であり、実際の支給額は審査により異なります。

助成金活用スケジュール(外国人入社〜1年)

【入社前】
  ├─ キャリアアップ計画書を労働局に提出 ← 最重要
  ├─ 就業規則に正社員転換制度を規定
  │
【入社(有期雇用)】
  ├─ 人材開発支援助成金の訓練計画届を提出
  ├─ 研修実施(日本語研修・技術研修)
  │
【入社6ヶ月後】
  ├─ 正社員に転換(賃金3%以上アップ)
  │
【転換後6ヶ月】
  └─ キャリアアップ助成金の支給申請 → 40万〜80万円/人

よくある質問(FAQ)

技能実習から特定技能への移行時にもキャリアアップ助成金は使えますか?
は い。技能実習期間中に有期雇用契約で雇用していた場合、特定技能への移行に伴い正社員転換すれば対象になります。ただし、移行前にキャリアアップ計画書を提出しておくことが絶対条件です。
助成金の申請は自社でもできますか?
可 能ですが、書類の不備や要件の見落としで不支給になるケースが非常に多いです。特にキャリアアップ助成金は「転換前の計画届」「就業規則の規定」「賃金3%アップの計算方法」など細かいルールが多く、社労士に依頼する企業がほとんどです。
助成金を受給したら返還することはありますか?
不 正受給が発覚した場合は返還+ペナルティが発生します。正当な手続きで受給した場合は返還不要です。ただし、受給後に正社員を短期間で解雇した場合などは、その後の助成金申請が一定期間不可になります。
外国人に対する日本語研修は人材開発支援助成金の対象になりますか?
業 務に必要な日本語能力を身につけるための研修であれば対象になる可能性があります。ただし、Off-JT(座学研修)であること、一定の時間数要件を満たすことが条件です。日常会話レベルの研修が対象になるかは、訓練内容の具体性次第です。

まとめ

外国人雇用で助成金を活用するためのポイントは3つです。

  1. 事前の計画届を忘れない(後出し不可)
  2. 社保・労務の基盤を整備する(前提条件)
  3. 在留資格の申請と同時に助成金も検討する(ワンストップの価値)

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